東京地方裁判所 昭和38年(ワ)10633号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔事実と争点〕被告の被用者訴外江川弘は昭和三八年一一月一九日被告の事業の施行として、被告所有に係る自動三輪車を運転中、信号を無視して過失により原告運転の普通乗用車(ダツトサン・ブルーバード)に接触せしめ、原告車破損により五〇、〇〇〇円の物的損害を与えたか、原告は本件事故により精神的シヨツクをうけた結果三日間休養を余儀なくせられたから慰籍料として金一〇〇、〇〇〇円の支払いを求めると主張した。
判決は被告車輛の修理費として金三一、一〇〇円支出せられたことを認め、同額の損害賠償をなすべきことを命じたが、慰藉料の請求についてはつぎのとおり説明して、全面的にこれを棄却した。
〔判決理由〕原告本人の供述によれば、原告は本件事故の結果受傷こそしなかつたものの、その衝撃により二日間就床休養したとするのであるが、本件事故の態様、客観的な被害の程度を検討して見ても、原告がそれ程の精神的打撃を受けたとするには疑念があり、原告が本件事故によつて若干の精神的苦痛を受けたであろうことは、これを諒とするにしても、果して金銭補償を要する程の苦痛を受けたかどうかを確めるには証拠が充分でなく、結局この主張は採用できない。(原島克己)